考えれば考える程訳が分からない。

今までの凱の行動に我慢している所があったように思えない。

『今のは私の都合のいい夢?・・・白昼夢?』

ほっぺたを抓ってみると痛みが有るので、夢では無いようだ。

「おい大丈夫か?!」

「え?・・あぁはい。痛いです」

見ている方が心配する程強く抓っていたが、痛みはあるものの、そこまで痛みを感じてはいなかった。

「大丈夫じゃないようだな」




その後、どうやって会社に戻ったか、午後の仕事の内容も全く覚えていないまま定時を迎えた。

脳みそは未だに凱の事を処理出来無いが、それ以外の事は何とか処理している・・・程度の働きのようだ。

なので、自宅に戻ってしまえばそれ以外が無くなり、必然的にフリーズ状態になる。

玄関先に立ち尽くして居た事に気付き、ノロノロと室内に移動するが、着替えもせずにベッドに倒れこんだ。