「ねぇ~。マジビックリだよ」

山葉の言葉に続き、軽口で鈴木がからかう様な口調でそういう。

『もう、会社辞めて何処か遠くへ逃亡したい』

公衆の面前での発言というのも恥ずかしいが、凱に対しての発言に体中の血が沸騰後一瞬にして冷えた気分だ。

『もう合わす顔が無い』

「でもその後の取締役が凄かったな」

「あぁ」

『え?』

山葉の発言に思わず顔を上げてしまった。

「『誰が見ていないだって!ふざけるな、どれだけ我慢してると思ってる!』ってドスの効いた声で言ったかと思ったら、グイって小鳥遊を引き寄せて!」

そこには、今度は凱の真似をして声を低くして話す鈴木が、隣に座っていた山葉を引き寄せて、キスをしそうな態勢をとっていた。

「「!?」」

杏奈と山葉が同時に驚いた。