「で、何処まで覚えてるんだ?」

昼休みに三人は急いで社外に出て、社員の余り来ない店に入った。

社員があまり来ない理由が、値段が高めだという事だ。

最低価格の昼食が1,500円を超えるので、しょっちゅう来る事が出来ない。

お陰でこうして近場だが、人目を気にせず話をする事が出来る。

ただし、念には念を入れて、座敷に通して貰い、小声で話をする。

「えぇっと・・・お二人に相談した辺りですかね・・・実はそこもちょっと曖昧なんですが・・・」

杏奈の言葉に向かいに座る二人は絶句していた。

「はぁ・・・ホントに酒弱いんだな」

山葉と顔を見合わせてからそう口にする。

「はい、なので、飲み会なんかはかなり控えてるんですが・・・」

「じゃぁ、取締役から電話が来て、小鳥遊が速攻切ったの覚えて無いか」

「え!?凱からの電話を速攻切ったんですか!?私」

『うっわー、酔ったにしても酷いな・・・』