「お家、どこか分かる?」 首を横に振る女の子を見て、どうしようかと悩んでいると、 「蘭奈(らな)!」 男の人が息を切らして走ってきた。 良かった、保護者かな? と思って立ち上がって様子を伺う。 …ん? あれ、どっかで見たことある…この人。 「あ…!」 という声に反応して、その人は振り返った。 「あれ…。お前、朝の?」 まさかこんな早く会えるなんて思ってもなかった。