交番から家に帰り、荷物をまとめて病院へ向かった。


パパを探し始めた時はまだ5時だったのに、もうすっかりお昼を過ぎてた。


そういえば、まだ何も食べてないな。


グーッと控えめに鳴るお腹を少し撫でながら歩いていると、前の方でしゃがみ込んでいる小さい女の子が目に入った。



キョロキョロと周りを見てみても、保護者らしき人はいない。



「どうしたの…?」


ゆっくり近づいて話しかけると、少しだけ目線を上に上げてこっちを見てきた。



「……。」


知らない人に声かけられたら、警戒するのは当たり前だよね…。



「パパと、ママは?」


同じ高さになるようにしゃがんで顔を覗き込む。



「……いない。」


近くにはいないってことかな?