「神谷ってさ、昔から友達の好き嫌い激しくて」
あー、うん。
なんかそんな感じするかも。
っていうか、他人に興味無さそう。
……のわりに、自殺止めたりしてるんだけどさ。
「…先輩は、いつからあの先輩の友達やってるんですか?」
「はは、名前で呼んでいいよ。
それじゃ神谷なのか俺なのかわかんなくなるし」
「あー、はい。
…じゃあ、木村さんと優斗さん、どっちがいいですか?」
「んー、優斗くん」
「くんって。くん付けするようなキャラではないですけど」
「いいじゃん。その方が可愛いよ」
「・・・じゃ、優斗くん。」
って、似合わな。
声に出すと似合わなさが改めて実証されるわ。
「ん。
俺と神谷は中学の頃から一緒。中1んときクラスも一緒で、出席番号が前後だから席も前後で、んで俺らサッカー部で」
「え、あの人サッカー部だったんですか?」
「うん。今はやめたけど」
うーわ、まじか。似合わない。
あんなさっぱりとした人がサッカー部?え、まじか。
シンジラレナイゼ。
「ま、今もクラスは一緒なんだけどさ」
「あの人モテそうですね」
「まー。でも去年までは彼女もいたし、そうでもないんじゃない?
男の俺にはわかんないけど、でも中学の時は超モテてた」
「女が好きそうな顔してますもん」
「そういう真希ちゃんも、男が好きな顔してるけどね」
「あー…でも好かれたところで
本気の相手をしてもらえなきゃ、意味ないですけどね」
「え、本気の相手されたことないの?」
「ないですね。浮気相手にもってこいなんですかね。
彼氏、できたこともないし」
「え!?え、まじ?」
「超マジですけど。
いいかもって人がいて、いい感じになったとしても
私はアクセサリーにしかなれない。
そんなもんなんですよね」
実際、今もそのせいでいじめられてるわけだし。
……中学の時も、友達の彼氏って知らなくて遊んじゃったこともあるし…
結局、浮気相手にされるのがいいとこ。こんな顔。