教室に着くなりドアから周りを覗き、やつらがいるのを見て笑みを浮かべる。
まだ乙女の方はいない。後ろの方の席に座り、組んだ手にあごをのせてやつらを監視した。


ゲームのマルチプレイでもやっているらしい。
スマホから衝撃音が響くとうめき声をあげる。
そんな様子を冷ややかな目で見ていた。


監視して何分たったころか。サッシが軋む音がした。重要人物の乙女が到着。
しかしやつらはゲームに集中していて目もくれない。


この時点では無事。よかった。開幕で乙女ちゃんと呼ばれたら対策が追いつかなかった。


「おはよう!」


「おはよう」


私の隣に座り、すぐに勉強の用意をする。
私は監視に集中していて机の上は真っさらだ。けど準備なんて先生が来てからでいい。


その後も監視を続けたけど何もなかった。
カゴに必要なものを入れた先生が来てから、即座にリュックサックの中身を並べた。