「今日は楽しかったっすー!二人ともいつでも来ていいっすよー!また話しましょー!」
「乙女ちゃん、原稿完成したら見せてねー!三人で感想言うの待ってるからー!」
帰り道、方向が違う二人は遠ざかっていきながら手を振った。
「いやーなんか疲れた。でも、浅野さんに話せてよかった」
「私も、大和さんのこと知れてよかった。あの、困ったことがあったら言って。臆病者だし、頼りにならないかもしれないけど。善処……するよ」
声が窄まりながらも言えた。
「ありがとう。でもすごい迷惑かけると思うで。……話した通り、巻き込んでしまうかもしれん。やから、無理だと思ったら離れていってほしい。もし浅野さんに悪口がいきそうだったら、倍嫌われて引きつけるから」
そんな決意を込めた目で笑われると、胸が苦しくなった。
元から悪口言われてるのに……その分を傷付いた大和さんには向かわせられない。
「大丈夫。離れない。同じ作品で盛り上がれる友達って大事だし、楽しく話せることと悪口とを天秤にかけたら、楽しい方が勝つ。迷惑なんて気にせずかけてよ。私も困らせると思うから」
「そこまで言ってくれるなんてな。ありがとう。あ、忘れてたけど大和さん、じゃなくて乙女でいい。浅野さんは思意でいい?」
思意という名前は好きじゃないけど、浅野もしっくりこないからいいよと頷いた。
「また学校でなー」
「うん、またね」
乙女と別れ、姿が遠ざかっていく。見えなくなったところで、考えを固める。
今まで悪口を言われても、どうせ変わらないからと放置していた。
私だけの問題じゃなくなった。
もしも乙女があの男子と仲良くなって、悪口を言われなくなっても……。
友達を見捨てられない乙女のことだから、きっと他の人の悪口もよく思わないだろう。
だからここでケリをつけなければいけない。
「乙女ちゃん、原稿完成したら見せてねー!三人で感想言うの待ってるからー!」
帰り道、方向が違う二人は遠ざかっていきながら手を振った。
「いやーなんか疲れた。でも、浅野さんに話せてよかった」
「私も、大和さんのこと知れてよかった。あの、困ったことがあったら言って。臆病者だし、頼りにならないかもしれないけど。善処……するよ」
声が窄まりながらも言えた。
「ありがとう。でもすごい迷惑かけると思うで。……話した通り、巻き込んでしまうかもしれん。やから、無理だと思ったら離れていってほしい。もし浅野さんに悪口がいきそうだったら、倍嫌われて引きつけるから」
そんな決意を込めた目で笑われると、胸が苦しくなった。
元から悪口言われてるのに……その分を傷付いた大和さんには向かわせられない。
「大丈夫。離れない。同じ作品で盛り上がれる友達って大事だし、楽しく話せることと悪口とを天秤にかけたら、楽しい方が勝つ。迷惑なんて気にせずかけてよ。私も困らせると思うから」
「そこまで言ってくれるなんてな。ありがとう。あ、忘れてたけど大和さん、じゃなくて乙女でいい。浅野さんは思意でいい?」
思意という名前は好きじゃないけど、浅野もしっくりこないからいいよと頷いた。
「また学校でなー」
「うん、またね」
乙女と別れ、姿が遠ざかっていく。見えなくなったところで、考えを固める。
今まで悪口を言われても、どうせ変わらないからと放置していた。
私だけの問題じゃなくなった。
もしも乙女があの男子と仲良くなって、悪口を言われなくなっても……。
友達を見捨てられない乙女のことだから、きっと他の人の悪口もよく思わないだろう。
だからここでケリをつけなければいけない。