裸の枝が多い中、花を咲かせた枝が伸びているのに気付いた。
何かを包むように丸まった感じの赤い花は、小さくても視線を集める存在感がある。


私は思わずカメラを向けて、写真に収めた。
冬 木 花で調べてると名前がわかった。ぼけというらしい。


なんともあれな名前だ。まだ寒い中、頑張って早くに咲いているこの花がぼけているわけがない。
そう思ったけど、木瓜からぼけになったらしい。


なら仕方がないね。
スマホを仕舞い、一足早く咲く花と別れる。


大分歩いたなあ。この辺で一回止まって考えるか。
ちょうど電柱が立っているので、そこを目印にして止まった。地図を出そうとした時、ふと電柱の青いプレートを見ると、葉科町と書かれていた。


ここは葉科町なのか。このまま進んでいけば前に下っていった道にぶつかるかもしれない。そこまで歩いたのかと感心した。


ならもうちょっと登っていって、この前の道を下ろうか?
新しい道を行くのも疲れるけど、さっき行った道を下るのも面白くない。ならこの前の道に変化がないか見て回ろう。


地図にはなにも書かれない白い道が続く。地図上には目印がない。けど道の形でわかる。


少し登った後踵を返し、坂道を下る。
自分の位置を示す線は順調に望んだ道を辿っていた。