春休みの基本的な過ごし方。好きな時間に起きて、好きな時間に食べ、スマホを触り、そして主に辰也のせいで居心地の悪さを感じる。


学校に行くよりは疲れないけど、このままこんな日を過ごすのかと思うと、私って何でこんなことしているんだろうと考え詰めた。


何で四六時中暴言を聞いて、それに耐えているんだろう。
家の中でずっと暴言が聞こえるってよく考えたら異常だよね。


そう思っても解決する方法はないので、このまま過ごすしかなかった。
辰也が外出してくれないかな、と毎朝期待を抱いていた。


そんな日が四日続く。ぐだぐだしてるだけなのに疲れたし、気分転換ということで、私が外に出ることにした。


親もいない、辰也も見ていない中、完全装備でひっそりと出る。
しばらくの間使わないだろうなと思っていた最寄駅で切符を買い、寒いホームで電車を待つ。


寒くても家にいる時よりは気分がスッキリしていた。暖房やこたつでぼーっとしていた頭が、寒さで引き締まるような感じがする……なんてポジティブに捉えるくらい。
まあ朝食べてすぐ準備したから、こたつにも入ってないんだけど……。


時刻だけ違う、聞き慣れたアナウンス。
うねりながら迫ってきた電車はホームに近づくと真っ直ぐになり、速度を落として目の前にドアを置いた。


学生の姿はなく、人が少ない車内。
私は遠慮なく座り、暖房が効いた車内でぼんやりと窓を見ていた。