笑いすぎて頰が痛い。楽しさの代償である恨めない痛みだ。
こんなに笑ったのは久しぶりだ。


同じ趣味があるとここまでは遠慮なく話せることを思い出した。


ゲームのツイッターを見ていると、河芹さんが、ねぇ、と呼びかけた。


「皆勤賞っていらなくね?」


突然何?と思ったけど、顔に浴びている青い光を見て理解した。


「世の中には追い詰められて仕方なく行けなくなったやつもいるし、家近い方が有利じゃん。不公平じゃね」


「確かに。表彰されてその子たちだけ褒められるのって不公平だよね」


「そんなに学校に行くのが偉いのかなー。浅野さんは?」


話を振られたけど、私は少し違う考えがあった。
そうだねと言った方が無難。だけど……。


「確かに皆勤賞って運とかが絡んでくる。けど、その運とか、家族の協力とかも含めて表彰するんじゃない?家族に見せればちょっと報われた気持ちになるかもしれないし」


当然静まり返り、この先を言っていいのかと躊躇した。
けど考える間もなく、えいっと押す気持ちでその先を続けた。


「世の中には皆勤賞くらいしか賞をもらわなかったって人もいる。誰かだけ表彰されるのは不公平だからなくすんじゃなくて、等しく評価される場を作ればいいんじゃない?」


頭ごなしに批判しないと信じて言い切った。


「そっか。まあ私も表彰されるようなものがあれば嬉しいし、私も表彰されたからいいしって思えるかもな」


「私も表彰してもらえたら嬉しいけど……。でも平等に表彰って難しくないですか?」


「そんなにうまくいくもんかねー」


完全な同意を得ることは難しい。けど、残してもいいかもしれない理由を知ってくれただけで嬉しかった。