気だるくも、その先に何かがありそうな朝。
箸を取って、眼を覚ますために卵焼きを食べる。あまり力を入れなくても出汁の味が染み出て、味わっているうちに目が覚めてきた。


次は真っ白な白米を掴んだ。
出汁の後のご飯はよく合う。もう一口、とご飯を食べ、次は何にしようか迷う。


朝から全部食べきり、重くなったお腹で無駄なく準備する。今日は早く学校に行かなければいけないんだ。


「行ってきます!」


いつもより張った声で出発する。深呼吸し、まだ寒さの残る春の空気と入れ替えた。


鼓舞するように背を吹き叩く、春の強風。


長いスカートをはためかせながら、一人だけの道を派手なスニーカーで闊歩した。