「なに~?ナンパ~?」
菜緒が返す。
「だってキミ本当にかわいいんだもん!その制服、華村中でしょ?」
なんか、軽そうな人だな…
でも、これは龍馬くんとまた話せるチャンスかも…!
それにさっきのお礼をもう一度改めて言わなきゃと思っていた。
「そっちは西波中?」
と、菜緒がまた話を返すと
「そうそう!ちなみに俺は宮原銀、で、こっちは須田龍馬っての!宜しくー!」
と、自己紹介をしてきた。
「おい銀、なに勝手に名前教えてんだよ」
「何でー?いいじゃーん!」
中々、タイミングが掴めない。
それに、龍馬くんは何だかクールっぽくて、話してもかわされそうな気がしてきた。
「君たちの名前も良かったら教えて欲しいなー」
銀君が頬杖をつきながら、おねだり口調で言ってきた。
このままでは、と思い、私は口を開いた。
「あのっ!!」
その瞬間、はっ!?とした。
割と大きな声を出してしまい、菜緒達がびっくりしてしまっていた。
あ、と思ったが私は続けた。
「さっきはあの…ピンチのところを助けていただいて、ありがとう!」
「あぁ、いや…さっき聞いた」
やっぱり龍馬くんは、クールに返してきた。
「そ、そうだったね…」
と、言うと、龍馬くんは更に続けて言った。
「それさ、この高校入った時に返して。そん時にどのみち、また会うだろ?」
またもや心臓がバクンっ!と音を立てた。
ヤバイ…
あたし…完全に落ちた。