「「ごちそうさまでした」」

と完食し、私たちが店を出ようとすると、雪音君が

「ねぇねぇ、楢井!!
連絡先交換しね?」

と話しかけてきた。

「え・・・?えっと・・・」

私が困惑してアタフタしていると、急に手を掴まれ引っ張られていった。

気づけば、真君の腕のなか。

「なんだよ、お前・・・」

「それは、こっちのセリフ。
お前、さっきから何のつもり?
店員が客にナンパしてもいいわけ?
つか、俺の女に手を出してんじゃねぇよ」

不覚にも私の心臓がうるさく波打つ。

「は?そんなのお前に関係ねぇだろ?」

「関係あんだから言ってんだろ。
お前の教育はどうなってんだよ。
一回店長でもいいから責任者の人に呼んでくんない?
“俺の彼女にナンパをする不届き者の店員がいる”って苦情をだすけど、いいよね?」

なんというか、容赦のない弾丸・・・

何もそこまでしなくても・・・とついつい思ってしまう。

「ちっ・・・!!
お前らにはもう用はねぇよ。さっさと帰んな」

とシッシッと追い払うように雪音君は私たちを追い出した。