何度かそれを繰り返し、手にしたタオルに顔をうずめ呼吸を落ち着ける。

機械的に回り始めた洗濯機に背を向け、寝室に戻り服を着替え、化粧をする。

それだけで情けない顔をした自分を表面上は取り繕えるから、すました顔で何でもないことの様に振る舞うんだ。

ふいに視界に入った携帯の液晶が光っていることに気づき、ベッドの枕元に歩み寄れば”0730”と、あの男からのメッセージが入っていた。

「俺が呼んだらすぐに来い」と、不敵に笑うあの男の声が、今にも聞こえてきそうで思わず身震いする。

こうして彼は今日もまた、自分勝手にも私のジレンマの始まりを告げるんだ。