出来ればこの話題はここらで断ち切りたいなと、思ってしまうのが正直なところ。

どうしたってこの流れになると次に続く言葉なんて決まっているのだから。


「ちょっとだけ方言で話してみてよ‼︎」


「(……ほら、出た)」


何気なく使っている話し言葉を、いざ意識して使おうと思うと中々出ないもので、それは極めて難しい注文だったりする。

それにあんなものは、同じくその言葉を操る人間がいなくては、咄嗟に出てこないものなのだ。

だから、こういう時用の一言は決めている。


「こことっとっと?」


「え、?」


「こことっとってっていっとったのになんでっとっとってくれんかったっとっていっとっと」


こう言えば、大抵の九州民以外の人は困惑して黙ってくれる。