何やかんやと賑やかではあるものの桜庭准教授というストッパーがいる所為か、トラブルも無くその後も滞りなく会は進んでいった。

しかし気づけば一人また一人と、お酒に呑まれていく大学生飲みあるあるが、目の前では繰り広げられていく。

そうなると最早初めに座っていた席など、もぬけの殻と成り果てる。

そうして今では仲良しグループでそれぞれ固まり、賑やかな輪が一つ、二つと生まれている。

私と言えば、お酒はマイペースにちょびちょびと飲むのが好きだから、敢えてその輪には入らずに傍観している。

すると、空席となっていたお隣さんに影が落ちた。


「隣いい、?」


「……ど、どうぞ」


と、返せばすっかり腰を落ち着かせたその人は、ニコニコと人懐っこい笑みを浮かべている。