件の学生の質問はこうだった。


「何故差別は生まれ、また、何故同じ被害者同士の中でもさらに差別を行うのか」


と言うもので、それに対し桜庭准教授は次のように答えた。


「人は、己よりも弱者を作り出す事で自我を保っている。ある種の標的を作ってしまえば捌け口として有効だからね」


この取り繕う事なく事実をありのまま語る彼は、まるで批判なんて恐れている様子がない。

なんて自由な人なんだと思った。

まさに、”ペンは剣よりも強し”だ。

彼の武器はそのストレートな言葉を伝える術を、よく理解している事だと思う。

ビジュアル的にも恵まれた容姿をしている桜庭准教授は、メディアの露出も極めて高い。