帰るんだね・・。

付き合っている って言っても何するわけでもない。
いつも学校帰りに側にいて、木々の下で鳥に負けないさえずりを繰り返す。

たまに観る飛行機雲に二人で興奮したりして。

私もベンチから立ち上がった。

ゆっくり歩き出す。二人で。

ゆっくりな風に押されて。

鳥達はまださえずっている。

私も彼も18歳。
これからお互い少しずつ 違う世界を見たり経験したりしていく。

18歳のキャンバスはまだまだ白く、大きい。
何でも描いていける。

同じものを描いていきたかった。

でも、きっと無理なんだろうな・・・。



月明かりが私と彼の背中を照らす。



「またな」
「うん」



「「おやすみ」」

          



           :YUKI ハミングバードを聴きながら: