「ねーねー。」
「なんだよ」
「私のこと好き?」
「・・そんなこと普通に聞いてくるなよ。わかってるくせに」


学校帰り、公園に寄るのが私と彼の日課だった。
木がたくさんあって、鳥達がたくさん会話している所。

私も鳥に負けないくらいたくさん彼と会話してうやるんだから!

風が吹いて、木々がざわつく。
夕日が沈みかけているのが、木の間から観える。

もう少しで私も彼も高校を卒業して、彼は大学生になる。
私は専門学校に行くことが決まっている。

こうやってゆっくり二人で公園にきてさえずるのはもうできなくなってしまう。
そう考えるとすごく寂しくって・・・。

「?どうした??」

今にも泣き出しそうな顔をした私を彼が心配そうに見つめる。

「ううん。なんでもないよ~」

笑って返す。

「ならいいけど・・」

暖かい彼の手が私の頭を ポン と撫でた。

別にこれから逢えなくなっちゃうわけじゃない。
逢えるよね?
学校 違っちゃうけど・・。
でも、今は携帯だってあってさ、メールとかいつでもできるし。

「すっかり暗くなってきたな・・ちょっとさみーし・・」

彼がマフラーを一瞬、ぎゅっと掴んだ。

「帰る?」

厭だ。

「そうだな・・風邪ひきたくねーし」
「そうだよね・・でもバカは風邪ひかないし」
「俺はバカじゃないからひくの」

一緒に居たい。

「私もバカじゃないからひくかも」
「お前は平気そう」

そう言って彼が笑いながらベンチから立ち上がった。