オレの隣にいなくても
彼女が幸せなら……それでいいんだ

だけど彼女への気持ちは断ち切れない

貫きたい想い……
もう自分の気持ちをごまかすことはできない
かけがえのないオレだけの宝物
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奈緖に恋人が出来たと知って、いいかげんな気持ちで彼女を作ったことがある。だけど、「好き」になることはなかった。付き合っても、全部つまらなくて、結局俺……彼女を傷つけただけだったんだ。付き合ったからって、それで終わりなわけじゃない。他の女なんて目に入らない。結局、奈緖のことしか考えられなかったんだ。

いつもと変わらない一日。

大学で、俺の彼女だと言ってる女をやっとつきとめた。
「俺、お前に付き合いたいなんて言った?」
「な……なんで?こんなに好きなのに、なんで私のことを見ない?なんで私のことだけを見てくれないの?」
「お前のこと、好きじゃないから……」

周りにいる学生がざわついてる。

「ちょっと……どういうことなの?」
「キミたちがなんて聞いたのか知らないけど、俺達は付き合ってないってことだよ。」
わざといっぱい人がいる場所で、話していた。
「あとは、その女に聞いてくれ……」

明日……どうなってるかなー
なんて、考えていた

ずっと好きだった

でもオレじゃダメだろうなって諦めていた
だけど諦められなかった

忘れられない恋がある
初めて会った日から想いは変わらない
ひそかに恋してる

恋が運命でも運命じゃなくても
心に嘘をつけないなら……
おさえがきかない
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奈緖と美月が仲直りして、たまに家に遊びにくるようになった。でも、俺が入るスキなんてない……

俺は奈緖のことを好きだけど、奈緖はどう思ってるんだろう……このまま俺ばっかりがどんどんすきになって……

ちゃんと現実を見ないとなぁ……

そして、美月から聞かれた
「お兄ちゃんって、奈緖ちゃんのことを好きなの?」
「え……わかる?」
「奈緖ちゃんは、全然気づいてないみたいだけど……」
「だよな……」
「あのさ、奈緖ちゃんが彼と別れたのは知ってるよね?浮気されて……」
「うん、だから皆で元気づけるために遊びに行ったんだろー」
「今も、学校で浮気されて別れたことが噂になってるんだよね。それで、お兄ちゃんと付き合ってるふりをしたらって、言ったんだ。そしたら、そんなのみーくんに迷惑かけるからって……」
「なっちゃんは、リビング?」
「うん」

奈緖と話して、恋人のふりをすることになった。本気じゃなくてもかまわない。ふりでもかまわない。大学の友達にも、恋人って紹介した。学校まで迎えにも行って、手をつないで歩いた。俺と一緒にいる時だけは、俺だけを見てほしい。

まるで夢みたいな現実の中にいるのに、何も満たされない。奈緖は、俺のことなんて好きじゃないってわかってるから……

あなたの笑顔で
私を元気にしてくれた
あなたとは一緒にいて自然だった
私が私らしくいられた

今が楽しくて
先のことなんて考えてなかった

どれだけ絶望したとしても
生きていれば希望がある
どう生きるかを決めるのは自分だよ
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気にしないようにしても、噂が耳に入る。元気がない私を心配してくれる彩花と美月ちゃんと……

湊と付き合ってるふりをすることになった。噂は消え、湊とのことが噂になってるんだよね……

湊が優しいから、勘違いしそうになる。笑顔をむけられると、元気になれる。湊が私を救ってくれた。

だけど、湊の優しさは恋じゃないってわかってる……

もうダメなんだ

忘れなきゃ……
昨日までの何もかも……

オレと別れて
すぐに別の男を作ったん……だな
オレはずっと忘れられなくて苦しんでるのに……

いつか……きっと思い出す
キミと過ごした日々を……
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奈緖に辛い想いをさせてまで一緒にいられないと思って別れを受け入れた。だけど、すぐじゃなくてもやり直せると思っていたんだ。奈緖と築いた愛は消えないと思っていた。別れても、奈緖は俺のものだと思っていた。バカな俺……

そんな甘い考えを打ち消すかのように、奈緖が男と歩いていた。2人の笑顔が……つないだ手が……2人の関係を物語っていた。

俺との思い出は?全部消えちゃった?信じていたものがガラガラと崩れていく。俺の気持ちはあの頃のままなのに……好きじゃない女にはつきまとわれ、奈緖は離れていき……奈緖が他の男のものになるなんて、耐えられない。ただ過ごしていく日々……

昔とは違う
今は彼女と一分一秒を惜しむように過ごしてる

本気になったらダメだ
ダメダメ……
これ以上好きになっちゃダメ

これからも独り占めしたい
彼女にむけられる独占欲
オレだけのものにしたい

だけど彼女を失った時の悲しみが襲ってきて
彼女に嫌われたくないから
本当の気持ちを心に閉じ込めて……
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奈緖に会いたい。顔を見たい。奈緖と付き合ってるふりをしてから、世界の色が変わった。奈緖と過ごし、俺の毎日は変わった。一緒にいるだけで心に光が灯る。とろけるような笑顔で俺を癒やし……新しい世界が見えた気がした。

奈緖の元彼が俺達を見ている。奈緖も気付いてる。どんな気持ちで?もしかして、邪魔なのは俺?俺がどんなに好きでも、奈緖はまだアイツのことを……

そんなことを考えていたら、初めて奈緖から手をつないできた。ニコッととろけるような笑顔で……

俺ばっかりが意識しちゃって、このままじゃ不安なんだよ。ふりはふりだ。いつかは、誰かにとられそうで……



私が本当に好きなのは……
私にみせる笑顔に胸キュン
あなたの笑顔にいつのまにか恋していた

あなたに……恋におちるなんて想像したこともなかった
いつも私を大切にしてくれるあなたを
好きになってるってきづいた……の

幸せが続けばイヤなことは頭の隅に……

過去の恋……終わった恋
現在の恋……恋人のふり

付き合ってるのに辛くなるなんて考えてなかった
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最近、学校に毎日湊が迎えにきてくれる。一緒に歩いて帰る道。たわいない会話、湊がみせる笑顔に胸キュン

ヒロが見ているのを感じた。きっと、湊も……感じてる

湊はどう思ってる?はっとした。私が気になるのは、湊だ。湊のことばかり考えてる。どうしてこんなに気になるの?恋まであと少し……

湊と別れたあと、ヒロに声をかけられた。
「俺達、もう一度付き合わないか?なんだアイツなんだよ。俺んとこにもどってこい……よ」
ヒロを見返すために、湊に付き合ってるふりをしてもらった。これは、見返せたのか?だけど、全然うれしくない。私が今好きなのは、ヒロじゃない。湊なんだ。湊に惹かれていく自分に気づいた。
「ヒロには、あの人がいるでしょ?私にも彼ができたから……」
次の恋に踏み出そう

もっと知りたい
だけど聞けない

私に笑顔を取り戻してくれたのはあなただった
あなたの優しさを知らなかった時の方が楽……かも……

好きになればなるほど
どんどん私ばっかりが好きになってる気がする
あなたに会えるだけでいい
この時間がずっと続けばいいと思っていた
あなたも同じ気持ちならいいのに

でもこの関係が続くことはないってわかった
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口下手でぶっきらぼうだけど、優しさが伝わってくる。
一緒にいるのが自然で、湊と一緒にいると幸せを感じる。幸せを感じれば感じるほど、不安になる。なんだろう……この気持ちは……

始まりかけていた恋……

だけど、美月ちゃんから聞いた。湊には子供の頃から片想いしている子がいるって……それでも、私と付き合ってるふりをしてくれるような優しい人……

もー付き合ってるふりをできないと思った。もー付き合ってるふりをするのは、辛いよ。耐えられない……

湊に付き合ってるふりをやめようと、伝えた


あわよくばを……いつも狙ってる
少しは見る目を変えてもらえたかな?

前よりは仲良くなった
だけど告白する勇気は出なかった

オレにとって世界中の誰よりも大切な人
今の関係を壊したくなかった
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誰よりも近くにいて、一緒の時間を過ごしてきた。

本当は気付いていた。奈緖との距離が縮まっても、俺のことを見てるんじゃないって……

キラキラ輝いていて眩しい奈緖。気持ちを届けたい。だけど、勇気は出なかった。

奈緖から、付き合ってるふりをやめようと言われた。

想いを伝えることもできないまま、2人の関係が終わった。

「片想いしてる子がいるって、美月から聞いたよ。その子とうまくいくといいね。」
「俺ならずっとなっちゃんだけを愛し続ける。絶対に悲しませない。だから、俺と付き合ってくれ。」
「えっ……片想いの子は?」
「俺がずっと片想いしてるのは、お前だよ。ずっと気づかないし……」
「ごめんなさい……全然気付かなかった。私でいいの?全然かわいくないし……」
「そんなことを言うな。なっちゃんはかわいいよ。俺はなっちゃんのことばかり考えてるのに、なっちゃんは俺のことなんてどうでもいいの?このまま恋人のふりをやめて、それで終わりでいいの?」
「そんなことない……」
「なっちゃんは、俺がいなくてもいいの?」
「なんでそんなこと言う……の?私、みーくんのこと好きになっちゃった……」
好きになってくれて嬉しい。ギュッと抱きしめた
「い……痛い」
痛いほど強く……

誰かの変わりじゃなく、俺だけのもの……もう離さないから……もう我慢はしない。
数え切れないカップルがいて……

だけど私の隣にあなたはいない
愛してる……愛されたい……って
いつだって思ってるのに……

どうして好きになっちゃいけないの?
好きな人に彼女がいただけなのに……
諦めなきゃいけないの?
だって好きなんだもん……
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湊の彼女は私じゃない。湊の顔に一目ぼれした。そして湊を知るほど募る恋心……

湊に好きになってもらうために、努力した。なのに、彼女ができていた。そんなぁ……今までの努力が……

そばにいたかった。独り占めしたかった。私だけを見てほしかった。湊しか見えない。

恋したら、もっお自由で、毎日がキラキラしてると思っていた。あれから、湊に近づくことさえできなくなったんだ。湊のいない毎日は、虚しいだけだった。今でも湊を好き。違う……あの頃よりもずっと……ずっと……

こんなに好きなのに、なんで諦めなきゃいけないの?ずっと彼女と付き合うかなんてわからない。いつかは、私を好きになってくれるかもしれないじゃない。