「ことちゃん、今日って課題あった?」

イケメンが整った顔でこちらを向いている。

幼なじみとかじゃなかったら一生関わりのないタイプ。

「数学と社会があったかな」

そう言い終える前に

「瞬くぅ〜ん!!」
「おはよ〜♡」

大勢の女子が詰め寄って着た。

おい、押すな。私が潰れる。

瞬こと阿須賀瞬は私の幼なじみでもあり、顔がイケメンてなわけでモテモテマンである。

誰にでも優しく笑顔なので一度目が合うともうノックアウト。

待っているのもアレだから、囲われてしまった瞬をおいて私は一人教室へ向かった。




「お〜コトおはよー」

「おはよう夏妃」

「王子様はどうした?いつもいっしょに来るじゃん」

「王子様はさっきハイエナに囚われた」

間違えじゃないよね?ハイエナに見えたもん。

夏妃はそれを聞くと腹を抱えて笑っていた。



瞬は家が目の前で小1の時に引っ越してきた。

その時から美少女のような顔立ちに女としての敗北を幼いながらに知った。

せめて他の分野では勝とうとして勉強も運動もそこそこ頑張ったけど、イケメンはやはりなんでもできるのか知らんがあっという間に追い越されてしまった。

私は特に人より秀でたものはないし、瞬比べられることも多い。(主に親)

イケメンで頭が良くて運動神経バツグンなんて漫画かよ。



「ごめん!ことちゃん」

やっと教室に入ってきた瞬はそう言うと、人懐っこい笑顔で話しかけてきた。

「さらに追加で謝るんだけど…数学と社会…ノート見して笑」

(笑)じゃないですよ。ちゃんとやっておいてください。というかなんでそんな感じなのに頭いいんだよ。

「はい。次からはちゃんととるんだよ」

「サンキュ!!詞音さま!」

それから猛ダッシュで写していたが5分後に先生が入ってきてしまい、先生から一発活を入れられていた。

うん、ドンマイ。