瑠夏ちゃんにだけ見せる心配性な一面。瑠夏ちゃんはかわいいから、その気持ちもわからなくはないけど、一度下がった気持ちはなかなか戻ってこない。ううん、むしろ余計に下がったような気がする。

「春ちゃんに任せて、私たちはどっか座れる場所を探そっか」

瑠夏ちゃんは私に向かってそう言い、どこがいいかなぁと考え始めている様子。

河原に行ってみようということになり、神社から出て川沿いの道へ出た。

祭りばやしがどこからか聞こえ、赤提灯が道沿いにズラリと並んでいる。屋台の豆電球や、ところどころにある街灯が辺りを明るく照らして、お祭りの雰囲気を盛り上げてくれていた。

いつもなら色々食べたくなるのに、今日は全然食欲がない。

これなら、蓮や麻衣ちゃんときたほうがよかったかもしれない。

座れそうな場所を見つけて、私たちは並んで座った。水野君のスペースを確保するため、真ん中に少し距離を空ける。

瑠夏ちゃんは「疲れたねー」と言いながらも、満面の笑みを浮かべている。ニコニコしていて人当たりがよくて、とてもいい子。

「桃ちゃんの浴衣すごく大人っぽいね。似合ってるー!」

「ありがとう。瑠夏ちゃんこそ、可愛いよ! さっきから通りすがりの男の子がちらちら見てるもん。これじゃ水野君も心配だよね」

「私のはすごく子どもっぽいでしょ? これ、中学の時のなんだ。春ちゃん、保護者みたいだよね。子どもじゃないんだから、転ばないって」