悲しくて、苦しくて、悔しくて、さっき以上に涙が出る。
私の涙は雨と同化して、地面に落ちた。
いつまでも、此処に居ていたい。
そう思っていたのは、もう随分と昔の気がする。
今は、早く此処から居なくなりたい。
そう思うのに 足が動かない。
透哉が近付く。
"もう美嘉に手を出すな" という流星の声も聞いてない。
透哉は私に合わせて しゃがみこんだ。
「俺たち、もう無理みたいだな。」
そして、耳元で 囁いた。
「別れよう」
そんな言葉、透哉の口からは聞きたくなかった。
私は うんともすんとも言わず、その場から走り去った。