わたしは教室へ入ると、いつものように支度をし、またいつものように席についた。

そのあとすぐに、咲が教室へやってきた。

「千歳ー、さっき焦ったんだからぁ」

間の抜けた声で言ってくる。

「何が?」

「何がって…。練習終わって音楽室出たら、居ないからさ。どこ行ったのかなって」

「ふーん」

そっけない返事をして、そしたら咲も、自分の席へと戻っていった。