「リンドブルム。許しがたいかもしれないけど…どうか、この者を見逃してやってくれませんか?」


リンドブルムは私の目をジッと見てきた

私がどんな者なのか見極めているのかもしれない

私もリンドブルムを見つめた


どんな理由があっても、争うことは絶対にダメ…!
殺し合いはなにも生まないの…!


リンドブルムは目を閉じて

『…いいだろう』


「!あ、ありがとうございます!」

『自分のことではないのに…大した人間だ。久しぶりだ…こんな簡単に許す気持ちになるのは』

そう言ってリンドブルムはフッと笑った


『…そこの者、感謝するのだな。今回は許してやろう。しかし次は無い』

リンドブルムは少年にそう言うと大きな翼を広げた


『そちとはまた会いたいものだ』


柔らかな表情でリンドブルムは、翼をはためかせて大空へと飛び立った