静かな教室で作業の音だけが響く。



15分たち、二人とも黙々と作業を続ける。


外を見ると、空がオレンジ色にそまっている

もう、夕方か。



夕日が差し込み、月野君を照らす。


かっこいいな......

また、胸がドキドキする。




「今度、穂乃果になクレープ奢らないといけないんだよー」




「えっ..」



"知ってるよ、私聞いてたから"っなんて言えるわけ無い......



「.....そ、そうなんだ....」



「穂乃果、本当甘い物好きだよなぁ」



そう言い、嬉しそうに笑った。



「...............」





やだ、やだ......

やだよ.......他の女の子の事嬉しそうに話さないでほしい......



下の名前で呼ばないでほしい



胸がドキドキしていたのに、ぎゅーっと苦しくなる




私も.......




自分の気持ちに正直になりたい....




「わ、私もっ.....名前で呼んでほしい....です....」




目をぎゅっとつむり、下をうつむく。



あ、やっちゃた...

こんなこと頼めるわけない。



彼女でもない私のことなんか、呼べないよね。





「ご、ごめん。今の無しにして。もう、終わったし帰ろっか」



私は、パパっと片付け教室から出ようとする。






「陽菜実...」