「だって佐伯先生の顔を見た途端ドキドキしたり顔が熱くなったらしたんでしょ?それって恋なんじゃない?」
その瞬間時が止まった気がした。
聞き慣れない言葉、自分とは縁がなかった言葉を発する麻耶をただただみることしかできずにいた。
「恋!?えー!千星が恋!?しかも先生に!?」
大きな声を出す茜音の声を聞いて我にかえる。
「茜音っちょっ声大きいって!!でもなんで?初対面だし、まだ話したこともないのに。それなのに恋って…突然すぎない?」
「一目惚れでしょ」
頭を悩ませる私とは裏腹に、麻耶は淡々と言葉を発する。
そう言われてもなかなかピンと来ない
そもそも恋愛感情の好きってよくわかんないんだよな…友達の好きとはどう違うんだろう…これ、恋ではないと思うんだけどな
「じゃあ佐伯先生のこと、頭に思い浮かべて見なよ。」
悩む私を見兼ねて麻耶はそう続けた。