噂をすればなんとやら
声をかけてきたのは佐伯先生のようだ。

「さ、佐伯先生!?」

そりゃ今古典だもん!先生いるよね!
なんで気づかなかったんだろ、どんだけボケっとしてるんだ私のバカ!


そんなことを考えているとは知らずに

「はい、佐伯です。どこかわからないところがありましたか?私でよかったらお教えしますよ。」

先生は微笑みながらそう言った。


えっえっ、待って!!!なんか、ドキドキしすぎてやばいなにこれ!どうしよう…
てか近ッッ近すぎ!!心臓もたない!ちょっ助けて、誰でもいいから助けて!!


軽くパニックになる私

「?大丈夫ですか?」


なにそのキョトン顔…かわいい!もう無理息できない心臓破裂する…!


「あっ、はい、いえ、大丈夫、です…」

絞り出したのは意味不明な日本語
それだけでも精一杯の受け答えだった。


「それならよかったです。わからないところがあれば気軽に声かけてくださいね」


そう言い去っていく先生を見て、ようやく息を整えることができた。