「いないよっ!いるわけない‼︎」

「そう、なら!占って見ようか?紅嶺家式占いで鵠の運命の人を見つけて見せよう‼︎」

「結構ですっ」

ムー、と隣で柊花が拗ねた顔をする。


柊花の家はおばあさんがお祓いや占いを職業とする人で、かなり霊感…やらがあるらしい。

たまにテレビとかにもでているのを見たことがあるほど。


どうやら、柊花もその血は流れているようで女の子から恋の相談で占ってあげることがあるらしい。

それも、かなり当たるというのをクラスの女子が噂しているのを聞いた事がある。


「私、そういうオカルトやスピチュアルなモノ信じないから」


「ん?でも、鵠の家系もお祓いとかの他にまじないをする…神社の人じゃなかった?」


「それは神宮寺って言う本家の方。
私は関係ない」


へー。と柊花は納得のいかなそうに言った。


そしてまた、柊花は考えるような素振りをした後、

「鵠‼︎明日の昼休み私のクラスに来てみてよ!」

「いきなり…どうして?」

「運命の人に出会える…かも!」

「は、はあ…」


私は適当に返事した。
運命の人なんて存在しない。そして、興味がない。

しかし、

身長の低い柊花は上目づかいをしながら大きな瞳をこちらに向け、お願いする。

気のせいだろうけど、彼女にキラキラエフェクトがかかって見える。


「〜〜〜っ、わかった」


…これは、ズルい。女の私でもキュンってする程可愛い…。




そして私は柊花と約束してしまった。


その、運命かもしれない人とやらに会うっていう約束を……。