「李莎ー!」
「ごめーん!」
「ダッシュー!」
「ムリだよお…。」

ププー。
「乗らないんですか?」
「乗ります!」
「はあ…はあ…ごめん!」

ガシャン…
「はあ…また遅刻〜?」
「ごめんごめん。」

私の名前は佐倉空《サクラノソラ》

中学2年生。で、この友達が
あたしの大親友、李莎。
よく寝坊する子だけど
優しいし、運動神経抜群!
あたしの売るほどいる
友達の中で唯一の
理解者でもあり相談者でも
ある子なんだ。

「あ!次だ!」
ピンポーン♪

「次、止まります。」


チャリン…

「よいしょっと!よし!行くか」「うん!」

このバス停から歩いて10分
位にある、春になると
咲くつつじの花が綺麗に咲く
《つつじの郷》の隅に
建ててある小さなお墓に
来た。

「お花、持ってきた?」
「うん。」
李莎は、私のために
来てくれたのに、この場所に
くると私が着いてきてる
みたいだとつくづく思う。

李莎は小学校の時にお母さんが
亡くなった。がんでね。
このお墓に眠ってる君も…。

「手、合わせて。」

だから君が亡くなった時、
李莎も私と一緒に
泣いてくれたね。
李莎が泣いてくれたのは
李莎のお母さんと君を
重ねたからだよね。
私は今まで生きてきた
中であんなに泣いたのは
初めてかもしれない。

なんであんなに泣いた
んだろう?
…多分、私が本気で愛した
君が私のそばから消えた
からかな?

その君の名はね…
《龍太郎》…。