外へ出ると、夏らしいもわっとした空気が広がる。
大学最寄りの駅から電車に乗って2時間。
学生時代を過ごした町に到着した。向こうからは、蝉の鳴き声がよく聞こえてくる。相変わらず無人駅なこの駅も、ちょっと錆びたバス停留所も全然変わってない。一年ぶりに訪れたこの町は、私の大好きな町。
停留所で30分待ったバスに乗り込み、窓から景色を眺める。卒業した小学校を通り過ぎ、先生達は元気かなと考える。そのまま、ぼうっと景色を眺めていた。