ズキズキと痛む頭を抑えながら、下へ降りた。リビングのドアを開けると、そこには紗南のお母さんがいた。
「おはよう、和彩ちゃん。どこか悪い所ある?」
「ど、うして……」
乾いた唇で声が掠れた。
「紗南が落ち着いたから1度家に帰ったら、和彩ちゃんのお父さんが来て。具合が悪いみたいだから、少し様子を見てくれないかって頼まれてね。ほら、座って。お昼ご飯食べよう」
紗南、落ち着いたんだ。良かった……。
ダイニングテーブルに座って、キッチンに立つ紗南のお母さんを眺めた。