時が流れまして…

私はと言うと現在校内で迷子です!

って元気に言うことではないけど私の唯一の特技である方向音痴なんです…

今日はみなちゃんと一緒に部活見学に行くところだったんだけど…

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「紫葵ちゃん!ごめん!今日は放課後部活見学に行く約束をしてたでしょう?けど委員会の集まりがあったの忘れてて…今日は一緒に行けなくなっちゃったの…」

休み時間に次の授業の準備をしていたらいきなり謝ってくるから何事かと思えば…

私にはきっちりしてると見えていたみなちゃんも少し抜けているようだ

「いいよー忘れてたならしょうがない!しっかり委員会出て来るんだぞ!」

胸をはって言う私をみたみなちゃんはケタケタと笑っている

「ほらー、笑ってないで授業の準備してよー」


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と言うことで私は1人で部活見学に行こうとしたんだけど…

この学校ってすごいねぇ

敷地が広すぎて迷子になっちゃったなぁ

初めにどこから見に行こうか決まらずにふらっと校内を歩き始めたはずなんだけど、いつの間にやらよく分からんとこに出てきてしまった

「あちゃーどうしたものか…」

ぶつぶつ独り言を言うしかないこの状況


「来た道戻ればいいんかなぁ」

なんせどう考えてもしんと静まり返った廊下に、ぽつんと私だけが居る

絶対見えてる範囲で部活やってる教室やら部室やらがあるとは思えない

けどなぁ、そういうことは人がいないってことでもあるんだよなぁ


半分諦めつつも、窓から外をぼんやり


「ねぇ、あなたどうしたの?」

突然肩を叩かれ振り向くと、綺麗な女子の先輩らしき人がいた

「あら?よく見ると昨日の委員会でいた子じゃないかしら?」

んー?昨日?委員会?

あっもしかして…

「図書委員長の本庄先輩ですか?!」

黒髪ロングの綺麗な人で昨日覚えていたんだった!

「えぇ、そうよ。名前を覚えてなくてごめんなさい…教えてくれる?」

いやいや、いくら委員会とは言えど1学年7クラスあるこの学校、1クラス2人は委員会に出席するから結構な人数なのに私の顔覚えてくれてるだけすごい

「1年の榊 紫葵と言います」



「紫葵ちゃんと呼ばせて貰ってもいいかな?」

ふわっと首を傾げながら話を続ける先輩

「紫葵ちゃんはもしかして迷子なの?」


「ざっくり言えばそういうことですね…」

先輩痛い所をつかないでください…
榊紫葵泣きそうです…

「」