「見ず知らずの……あたしに……優しくしてくれて……ありがとうございました」


驚いた顔をしているアメリアにシェリルは微笑んだ。


その時、アメリアは少女に死んで欲しくないと思った。


主(あるじ)が怖いからではない。


いつの間にかこの少女が好きになっていたらしい。


「っ!な、なにを!何を言っているのですか!?」


アメリアはシェリルの青ざめた頬に触れる。


その体温を冷たいと感じた。


「レオ……ン様にありがと……うございましたと……伝えてください……」


シェリルはやっとのことで言うと、再び瞼が重く下りる。