100年も人間界にいて人間らしくなってきたのかと思った。


シェリルと愛し合っていた時のレオンはなんとも人間らしかった。


エミリオは人間らしい感情を持つレオンの方を好んでいた。


レオンの眉間に皺が寄るのをエミリオは見逃さなかった。


「何か気がかりなことでもあるのかい?」


エミリオにシェリルのことを聞かれてからレオンは胸騒ぎを覚えていた。


そこへエミリオの婚約者のアシーネが優雅な足取りでふたりの元へ来た。


「レオン様、エミリオとつまらないお話よりもわたくしとダンスをしていただけませんこと?」


アシーネはレオン達よりも200歳近く年上なのだが未だに若々しく美しい。


「アシーネ、俺とまだダンスをしていないだろう?」


自分よりもレオンを誘うアシーネにエミリオが呆れた声を出す。