「極上の赤ワインと――」


シェリルは注文しているレオンをこっそり見る。


堂々とした風貌、周りの人を否が応でも惹きつけてしまうカリスマ性。


レオンと一緒に居ると、否が応でも注目され周りの視線が気になる。


「シェリル?」


滑らかな通る声が少女を呼んだ。


「は、はい」


「堂々としていなさい。立派な姫君に見えるのだから」


レオンの金色の瞳が空色の瞳を見つめる。


「……はい」


レオンはシェリルに自信を与えた。


このままビクビクしていては、食事を楽しめないだろう。


レオンは簡単に人を操ることができる。