シェリルは居心地が悪そうに座っていた。


うつむいて誰とも視線を合わそうともしなかった。


「失礼したね」


「え?いいえ……」


このレストランのお客様全員がレオン様に注目している。


この方の連れとしてあたしはふさわしくない。


「食べたいと思うものを注文しなさい」


「あたしは……何が食べたいかわかりません」


メニューを見ても何が何だかわからない。


レオンはシェリルの考えを汲み取り頷いた。


「では任せてくれるね?」


「はい。お願いします」


レオンが片手を上げると、待ち構えていたウェイターが傍に慌ててやって来た。