「レオン様、ここ何日かはお姿がお見えにならなくて寂しかったですわ」


「忙しかったものでね。グレイス」


「お忙しいのは……」


グレイスと呼ばれた女性がシェリルに目を移す。


じっとエメラルドグリーンの瞳で見つめられたシェリルは目を伏せた。


「そんな所だ」


邪魔をしないでくれとばかりに短い言葉のレオンにグレイスは唇を噛んだ。


「いつでもわたくしをお呼びください。レオン様」


座っているレオンの耳元に顔を近づけ小声で言うと、グレイスは自分の席に戻って行った。