玄関を出ると、豪華に装飾が施された一頭立ての馬車が待っていた。


側に従者らしき男性が立っている。


レオンが歩みを進めると、従者はうやうやしく扉を開けた。


背の高いレオンでも悠々入れるほど大きい。


外は薄暗くなってきていた。これから更に気温は下がるだろう。


「雪でも降りそうだな」


シェリルを座らせると言った。


「雪……?」


雪が何かを、シェリルはわからなかった。


「知らないのか?」


シェリルはコクッと頷いた。


レオン様は鋭い人。


あたしが考えていることをすぐに察してしまう。