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「用意は出来たか」


シェリルの外出の支度が出来た頃、レオンが戻って来て、シェリルの側にいたアメリアに聞いた。


「はい」


アメリアが深く頭を下げる。


シェリルはアメリアと話しているレオンを見ていた。


背中まである長い黒髪はシルバーの紐でゆるく結ばれている。


着ている服は最高級の生地と仕立てのスーツ。


手にしている上質のカシミヤのコート。


シェリルにはそのすべてが最高級のものだとはわからなかったが、今自分が着ているドレスが素晴らしいものだと判った。


レオンの着ているものも最高なのだろうと思った。


レオンはコートを羽織ると、シェリルに近づき腕を身体と足の下に入れた。


抱き上げられて目線が彼の目線より少し上になった。


とても高く感じ、こわごわと彼の首に手を回して身体を安定させた。