「街へ出てみたいか?」


分厚い本のページを弄んでいたシェリルが顔を上げた。


レオンの提案にシェリルの顔が明るく輝く。


「本当ですか?」


「ああ、馬車から見るだけになると思うが……いや、食事をしよう」


笑顔になったシェリルを見たレオンはそう言っていた。


「ありがとうございます!」


シェリルは子供のように喜んだ。


300年以上生きているレオンにしてみればシェリルは子供に違いないのだが。