「ま~ったく、レオン様は気まぐれなんだよな~」


そう言うのは少女を拾った時から側にいたダーモッド。


「そんなこと言ってもいいのか? 聞こえていらっしゃるぞ?」


アメリアは驚くほど軽い少女を抱いたまま湯殿へ向かっている。


ダーモッドもやる事がないのか、一緒に付いて来る。


「お前はここまでだ」


アメリアは手も動かさずに、ダーモッドの鼻先でぴしゃりと湯殿のドアを閉めた。


鼻先で勢いよく閉まったドアにダーモッドは「ちっ!」と舌打ちした。