レオンがそのタイミングを待っていたかのように部屋に戻ってきた。


ベッドの上で倒れ込むように眠っているシェリルを見て端正な顔が緩みフッと微笑む。


あどけない寝顔が可愛らしい。


100年前に出会ったシェリルは美しい大人の女性だった。


この少女にシェリルの面影を求めて名前を付けてしまった。


実際にはまったく似ていない。


どことなく似ていると思ったのは淡いブロンドの髪だけ。


もう一つの共通点は人間の女性と言うだけだ。


レオンはシェリルの身体を抱き上げると、羽根布団の中へ華奢な身体を横たえた。


そして自分もその隣に横になる。


ベッドの中で人間の女と一緒に眠るのは何十年ぶりだろうか?


時々、人間の女性をベッドに連れ込むが、それはただ一つの目的の為。


今のレオンはこの少女をただ一つの目的のために抱く気持ちが湧かなかった。


不自由なシェリルを抱き、すこしずつ信頼し始めた関係を壊したくなかったのだ。


この無防備な少女に惹かれているせいだろう。嫌われたくないと思う気持ちに戸惑うレオンだった。