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「アシーネ、あの一言は胸に杭を打ち込まれたように痛かったよ」


「レオン様が目を覚ましたらわたくしがお相手をするわ。って言ったこと?」


窓の外を眺めていたアシーネを後ろから抱きしめるエミリオ。


「そう」


アシーネの頭をのけぞらせるとエミリオは頬にキスをする。


「ティナちゃんにひどいことも言った」


エミリオはアシーネの細い首にも口付けを落としていく。


「だって……ああでも言わなければティナちゃんはまだヴァンパイアになったことをうらんでいたはずだわ」


女心は任せてとばかりに妖艶な笑みをアシーネは浮かべる。


「男心はわかってくれないのかな?」


エミリオは華奢な身体を振り向かせて覗き込むように言った。


「もちろん……わかっていてよ?」


アシーネはつま先立ちになると、エミリオの唇に唇を重ねた。