レオンは身動きもせずにまるで身体を一刻も早く回復させようと眠っているみたいだった。


ダーモッドがレオンの傍につきっきりでいる。


ご主人様が起きた時にすぐに要望にこたえられるように。


ティナはその間中、ずっと苦しんでいた。


レオンの血がティナの身体の中に落ち着くまでまだまだかかりそうだとエミリオが言っていた。


「ティナちゃんの体力がなかった所へレオンの血が入ったからね……元気な人間でも酷く辛いらしい。体力のないティナちゃんには考えられないほどの苦痛に襲われているはず」


「無事にティナ様はヴァンパイアになれるのでしょうか……?」


このまま苦しんでヴァンパイアになれずに亡くなってしまったりはしないのだろうか。


つきっきりでレオンの傍にいるダーモッドも時折ティナのベッドに顔を向けて心配そうに見ている。