「あうぅっ……」


胸だけが痛んでいたはずなのに、今度の痛みは全身を襲った。


「ぃ、いや……はぁう……っ!!!」


「可哀想に……わたくしならば痛みを止めてあげられるわ」


車イスの上で苦痛の表情を浮かべるティナを見て、カサンドラは笑みを浮かべた。


もっと苦しめば良い……痛みが辛いと感じれば私の手に落ちる。死んだ方がましだと思うのは時間の問題。


「可哀想で見ていられないわ。今日一日良く考えるのね?明日また会いましょう」


痛みがやっと治まり、朦朧とした頭がはっきりした時には美しいヴァンパイアはいなかった。