「ダーモッド、許しも得ずにシェリルに姿を見せるんじゃない」


どこからともなく聞こえてきたのはレオンの声。


その声を聞いた途端、今度はダーモッドが怯えた表情になった。


いつの間にか部屋にいたレオンが少女の前に来た。


「アメリア、髪をしっかり乾かすんだ。風邪を引く」


「かしこまりました。ご主人様」


「あの……もう大丈夫です……」


自分の世話をさせてしまって心苦しい。


しかも自分のことを「様」付けをするのだ。


どこの何者かもわからない自分に。


「シェリル、しっかり乾かしてもらいなさい」


レオンはそう言うと、興味津々の顔をしたダーモッドを部屋から連れ出した。