肩を抱き寄せると、ティナの腰まである淡いブロンドの髪をゆっくり梳いていく。


「きれいな絹糸のような髪……君は天使のようだ」


「天使を見たことがあるの?」


ティナは小首をかしげてレオンを見ている。


「ああ、最近はほとんど見かけないが昔はよくいたよ。もしかしたら君は天使なのかもしれないな」


レオンに見つめられ、ティナの頬が赤く染まる。


「天使だったら……みんなを幸せにしてあげるのに……」


「君が天使だったら……私の腕から飛んでいってしまうだろう……」


なんだろうこの不安な思いは?


今まで感じたことの無い不安が胸をよぎる。


レオンは言い知れぬ不安を抱いていた。