ティナは花がつかめなかった右手を動かし、膝に掛けられた毛布を掴んでみた。


良かった。


しっかりつかめる。


しびれた感じもない。


さっきのはやっぱり寒さで手が悴(かじか)んでいたんだ。


ティナはホッと安堵した。


「おいで」


レオンはティナの身体を抱き上げ、暖炉の傍のじゅうたんの上にティナを座らせた。


周りにたくさんのクッションが敷き詰められており、座り心地は悪くない。


レオンはティナの隣に寄り添うように座った。